【8月23日の地震】エレベーター閉じ込めの通報が複数件|震度4以上で止まると点検まで動かない、高層階が長く揺れた理由

2026年8月23日午前2時ごろ発生した茨城県南部を震源とする地震(M5.9・最大震度5弱)を示す図版

8月23日午前2時ごろの茨城県南部の地震で、東京消防庁管内ではエレベーターが停止して中に閉じ込められたという通報が複数件寄せられました。東京23区、埼玉県南部、千葉県北西部では長周期地震動階級2が観測されており、震度5弱以下の地域でも高層階では大きく長く揺れています。エレベーターが止まった理由と、閉じ込められたときにやってはいけないことを、日本エレベーター協会と気象庁の説明にそって整理します。

目次

震度4以上で止まると、点検が済むまで動かない

一定以上の高さのエレベーターには地震時管制運転装置が付いています。センサーが揺れを感知すると自動的に最寄りの階に停止して扉を開け、利用者が降りられるようにする仕組みです。日本エレベーター協会は、その後の動きを次のように説明しています。

揺れの大きさ その後の動き
損傷のおそれがない軽微な揺れ 一定時間が経過すると通常運転に自動復帰する
強い揺れ(震度4以上程度)で運転を休止した場合 エレベーターに損傷がなくても、技術者の点検を受けるまで復帰しない

今回は関東の広い範囲で震度4以上を観測しました。建物に被害がなくてもエレベーターが動かない状態が続くのはこのためで、復旧は保守会社の点検待ちになります。日曜の未明に発生したため、点検の順番が回ってくるまで時間がかかる建物もあります。マンションの高層階に住んでいる場合や、これから高層階の施設へ行く場合は、階段を使う前提で動く時間を見ておくほうが確実です。

なお、最寄り階で扉が開いたあと、しばらくすると扉は自動的に閉まります。閉まった扉はかごの中からは開けられますが、外からは開けられません。

気象庁は今後1週間程度、とくに2〜3日程度は最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。同じ規模の揺れが再び起きれば、点検が終わるまでエレベーターが止まる状況がもう一度起きます。高層階の住戸や職場では、水や常備薬を各戸に置いておくと、階段の上り下りの回数を減らせます。

閉じ込められたら、脱出しようとしない

  • 無理に脱出しようとすると危険です。エレベーターには外部と連絡が取れるインターホンが必ず付いています。状況を正確に伝えて救助を待ちます。
  • 停電しても真っ暗にはなりません。地震とともに停電した場合は非常用バッテリーが起動して非常用照明が点灯します。
  • 乗っている最中に揺れを感じたら、すべての行先階ボタンを押します。最初に停止した階で降りるのが基本です。管制運転装置が付いていないエレベーターもあるため、自分でボタンを押す動作が必要になります。
  • 地震が収まってもすぐには使いません。地震後にいったん動いても、地震感知センサーの作動や停電・故障で再び緊急停止し、閉じ込められるおそれがあります。建物の管理者が安全を確認するまで待ちます。

震度5弱でも高層階が大きく揺れたのは長周期地震動

気象庁の発表によると、この地震では埼玉県南部、千葉県北西部、東京23区で長周期地震動階級2が観測されました。長周期地震動階級は、揺れが1往復するのに1.6秒から7.8秒かかるような長い周期の揺れについて、高層ビル内での行動の困難さや家具の移動・転倒の程度から4段階に区分した指標です。震度とは別の物差しで、震度では表しきれない高層階の揺れ方を示すために使われます。

気象庁は、発表される階級は地表や低層建物の1階の観測データから推計したものであり、建物の頂部の揺れ方は発表した階級より大きくなる場合があるとしています。また長周期地震動は遠くまで伝わりやすく、震源から数百km離れた場所でも大きく長く揺れることがあります。今回の震源は深さ68kmと深く、揺れが広い範囲に分布したことも、離れた地域の高層階で揺れが感じられた理由です。

長周期地震動階級2を観測した地域
埼玉県南部、千葉県北西部、東京23区

高層階では、キャスター付きの家具やコピー機が動く、吊り下げた照明が大きく揺れるといった被害が起きます。壁際に寄せた背の高い家具の固定と、キャスターのロックを見直しておくと、次の揺れで動く量が変わります。

SNSでの口コミ

SNSでの口コミでは、震度を観測していない関西のホテルでも「11階では揺れた」という投稿がありました。高層階ほど揺れを感じやすいことが体感として出ています。首都圏では、深夜に飛び起きて室内を点検したという報告や、フィギュアや棚の物が倒れたという投稿が目立ちました。倒れたのは背の高い棚の上のほうに置いていた物が多く、階級2の「物が移動する」揺れ方と一致しています。

確認先

けが人や水道・停電の被害、鉄道の運行状況は別の記事にまとめています。

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