Event Overview
真夏の西新宿、超高層ビルに囲まれたビル広場に、数百人の声が地鳴りのように重なる。芸能山城組の「ケチャまつり」は…
- 2026/7/29 15:00 - 2026/8/2 20:00
- 新宿三井ビルディング 55HIROBA
- 入場無料
真夏の西新宿、超高層ビルに囲まれたビル広場に、数百人の声が地鳴りのように重なる。芸能山城組の「ケチャまつり」は、バリ島の合唱舞踊ケチャを都心のど真ん中で上演する、ほかでは味わえない夏の夜の催しだ。第48回となる2026年は7月29日(水)から8月2日(日)まで、新宿三井ビルディングの55HIROBAで開かれる。入場は無料。ここでは週末にあたる8月1日(土)・2日(日)を中心に、見どころと楽しみ方を紹介する。

ケチャまつりとは
ケチャまつりは1976年、新宿新都心の広場で産声を上げた。以来ほぼ毎年、真夏に開かれてきた新宿の風物詩で、2026年で第48回を数える。主催するのは芸能山城組。バリ島やブルガリア、ジョージア(グルジア)など世界各地の民族芸能を自ら演じてきた集団で、参加者の多くは会社員や学生といった一般の人々だ。プロの舞台とは違い、素人の声と身体が積み重なってひとつの大きなうねりになる、その手づくりの熱量がこの祭りの核にある。
会場の55HIROBAは、地下1階ながら吹き抜けで空が見える開放的な広場だ。周囲には竹製のガムランやバリ風の割れ門が組まれ、ビル街の一角がまるごと異空間に変わる。「毎年恒例で今年も行く」「一度観ると忘れられない体験になる」という声も多く、リピーターに支えられてきた催しでもある。
開催概要
| 名称 | 第48回 芸能山城組 ケチャまつり |
|---|---|
| 会期 | 2026年7月29日(水)〜8月2日(日) |
| 時間 | 初日7月29日(水)は宵宮(公開リハーサル)。7月30日(木)〜8月1日(土)は21時まで、最終日8月2日(日)は20時まで。開始時刻とケチャ上演の時間割は公式SNSで直前発表(前年は平日16時頃・週末15時頃から)。小雨決行 |
| 会場 | 新宿三井ビルディング 55HIROBA(地下1階広場) |
| 住所 | 東京都新宿区西新宿2-1-1 |
| 料金 | 入場無料 |
| 主催 | 芸能山城組 |
| 公式サイト | https://www.yamashirogumi.jp/event/cak2026-1.html |
終了時刻は木曜から土曜が21時、最終日の日曜が20時と告知されているが、各日の開始時刻やケチャ上演の細かな時間割は開催直前に公式SNSで発表される。前年の第47回では平日が16時頃から、週末は15時頃からの進行だった。初日の7月29日(水)は宵宮(公開リハーサル)にあたり、本番前の仕込みや通し稽古の空気をゆったり眺められる日でもある。天候により変更になる場合があり小雨決行なので、出かける前に最新の時間割を確認しておきたい。
最大の見どころは数百人のケチャ
この祭りの主役は、なんといってもケチャだ。上半身裸の男性たちが幾重もの輪になって座り、「チャッ、チャッ」という声を複雑に組み合わせていく。指揮者の合図で声の波が回転し、加速し、突然静まる。数百人の声帯が生む音の壁は、録音では絶対に伝わらない体の芯に響く迫力がある。ケチャは男性のみが参加する演目で、共演者は毎年一般から募集されている。輪の中で声を上げる人々の多くが、日中は別の仕事を持つ普通の人たちだというのも、この祭りらしいところだ。
暗くなってから灯りに照らされる夜の回が最も雰囲気があり、「屋外なので熱中症対策は忘れずに」と注意を促しつつも、その場の一体感を絶賛する投稿がSNSでも見られる。円の中心では、割れ門を背にした指揮者や中央の踊り手が物語を進めていく。バリの叙事詩「ラーマーヤナ」を下敷きにした場面が展開され、声のリズムだけで嵐や戦いが表現されていくさまは、言葉が分からなくても不思議と引き込まれる。初めて観た人からは「鳥肌が立った」「声だけでこんなに迫力が出るのかと驚いた」という感想がよく聞かれる。
映画「AKIRA」の音楽を生で聴ける

もうひとつの目玉が、アニメ映画「AKIRA」の音楽だ。あの映画のサウンドトラックを手がけたのは、ほかならぬ芸能山城組。祭りでは巨大な竹の打楽器〈ジェゴグ〉による交響組曲「AKIRA」が生演奏される。ハンマーのようなバチで太い竹を一斉に叩くと、腹の底まで届く低音がうねり、独特のトランス感覚に包まれる。「AKIRAの音楽を無料で生で聴けるなんて」「『金田のテーマ』や『クラウンとの戦い』を生で体感したい」といった声もあり、映画のファンが目当てに足を運ぶことも多い。民族音楽としても、映画音楽の原体験としても楽しめる、二重の魅力を持った演目だ。「都庁をバックに生で聴くジェゴグは脳と心にズガンと来る」「ジェゴグの低音が地面から伝わってきて体が震えた」という投稿も見られ、公開されるタイムスケジュールを見て、この演目に狙いを定めて訪れる人も少なくない。世界でもここでしか聴けない、生の「AKIRA」を体で浴びる数日間だ。
ジェゴグ・ガムラン・鹿踊など多彩なプログラム
ケチャとAKIRA以外にも、見どころは尽きない。青銅の打楽器〈ガムラン〉の演奏とバリ舞踊、ブルガリアやジョージアの伝統合唱、岩手・奥州から伝わる〈鹿踊(ししおどり)〉といった演目が日替わりで組まれる。バロンなどの華やかな衣装をまとった踊り手が舞う姿も見応えがある。会場にはジェゴグの手ほどき(演奏体験)や大道芸、露店が並ぶ縁日もあり、演目の合間に飲み物を片手に広場を巡るだけでも祭りの空気を満喫できる。「バナナの叩き売りまで観られる」という投稿もあり、大道芸の顔ぶれも年によって多彩だ。子ども連れで竹の楽器に触れてみるのも楽しい。「ジェゴグ、ガムラン、インドネシア舞踊、鹿踊り、ジョージア男声合唱、ブルガリア女声合唱が半日で堪能できる。通しで観るなら体力と備えが要る」という声もあるほど、一日の情報量は多い。演目は日によって内容や順番が変わるため、複数日通って違うプログラムを楽しむ常連もいる。祭りの全体像をつかみたいなら、まずは週末の午後から夜にかけて滞在し、明るいうちのガムランやバリ舞踊と、日が落ちてからのケチャの両方を味わうのがおすすめだ。
週末に行くなら知っておきたいこと
8月1日(土)・2日(日)は来場者が増えるため、ケチャなど人気の演目は開始前に良い場所が埋まる。座って観たいなら、目当ての上演の30分ほど前には広場に着いておくと安心だ。会場は屋根のない吹き抜け構造で、日中はかなり暑くなる。飲み物と、汗を拭くタオルは持っておきたい。「基本的に屋根はないけれど、周りにスターバックスやドトールなど涼める店がある」という情報も共有されているので、休憩をはさみながら回るといい。夕方から夜にかけては気温も下がり、灯りに浮かぶ舞台がいっそう幻想的になる。最終日の8月2日は20時頃までと少し早めに終わる見込みなので、フィナーレを狙うなら時間に余裕を持って向かおう。
アクセス
会場の新宿三井ビルディングへは、都営大江戸線「都庁前」駅から徒歩約3分、東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅から徒歩約5分。JR「新宿」駅西口からも徒歩約8〜10分で歩ける距離だ。55HIROBAはビルの地下1階にある広場で、案内表示に沿って進めばたどり着ける。周辺は高層ビル街でコンビニや飲食店も多く、食事や買い物とあわせて立ち寄れる立地だ。会場は入場無料で出入りも自由なので、仕事帰りや買い物のついでにふらりと立ち寄る人も多い。都心のオフィス街が、夏の数日だけ民族芸能の熱気に包まれる。その落差もふくめて、新宿で一度は体感しておきたい真夏の祭りだ。1976年から半世紀近く続いてきた手づくりの音の渦を、ぜひ現地で浴びてほしい。
イベント情報
- 開催期間
- 2026/7/29 15:00 - 2026/8/2 20:00
- 住所
- 東京都新宿区西新宿2-1-1
- 主催者
- 芸能山城組
- 料金
- 入場無料
- 状態
- 開催中
