Event Overview
旧中川に流された舟灯籠。奥に見えるのが会場のふれあい橋(写真:江戸川区) 8月15日の夜、東京の川で灯籠を流す…
- 2026/8/15 18:30 - 2026/8/15 21:00
- 旧中川 ふれあい橋たもと
- 見学無料(舟灯籠キット1艘500円/会場での完成品1艘600円)

8月15日の夜、東京の川で灯籠を流す行事といえば隅田川とうろう流しの名前がまず挙がる。だが同じ日、同じ都内で、もう一つ灯籠が流される川がある。江戸川区平井と江東区亀戸のあいだを流れる旧中川だ。こちらは夏祭りではなく、東京大空襲の犠牲者を慰霊するための行事として1999年から続いてきた。2026年で28回目になる。屋台が並ぶわけでもなく、混雑を心配するような規模でもない。それでも、白い舟灯籠が水面を流れていく光景は都内でここでしか見られない。
2026年の開催概要
江戸川区の公式ページに令和8年の日程が出ている。式典と献灯で時刻が分かれている点に注意したい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年8月15日(土曜日) |
| 式典 | 午後6時30分 |
| 献灯(灯籠流し) | 午後7時 |
| 会場 | 旧中川 ふれあい橋たもと(江戸川区平井7丁目・江東区亀戸9丁目の境) |
| 見学料 | 無料 |
| 舟灯籠キット | 1艘500円(平井の協力店5店で販売) |
| 会場での完成品 | 1艘600円 |
| 荒天時 | 中止 |
| 主催 | 旧中川灯籠流し実行委員会 |
| 後援 | 東京都江東治水事務所・江戸川区・江東区 |
午後6時30分の式典から見るか、午後7時の献灯に合わせて行くかで、会場に着くべき時刻が30分ずれる。灯籠が流れ始めるところだけを見たいなら7時前でも間に合うが、慰霊行事という性格を考えると式典から居合わせたほうが行事の意味は伝わる。
灯籠は自分で作って流せる。しかも会場で買うより安い
この行事の特徴は、来場者が舟灯籠を自分で用意して流せることだ。白い舟型の灯籠に文字や絵を描き、鎮魂の思いを込めて水に浮かべる。
灯籠キットは平井の商店5店で1艘500円で売っている。販売協力店は次のとおり。
- 三葉堂(平井3丁目25番12号)
- やおやすいーつプチファーム/サニーフーズ大徳(平井3丁目22番20号)
- 喫茶室サリー(平井3丁目23番10号)
- SUPERCUT HIMAWARI(平井3丁目23番12号)
- 平井親和会事務所(平井3丁目24番10号)
会場でも完成品を1艘600円で買えるが、事前にキットを買っておけば100円安く、しかも家で落ち着いて文字や絵を入れられる。5店とも平井3丁目に集まっているので、平井駅から会場へ向かう途中で寄れる位置関係だ。八百屋、喫茶店、理美容店、町会事務所と業種がばらばらなのは、地元の店が持ち回りで引き受けているためで、この売り方自体が地域行事らしい。
キットの取り扱い期間や在庫は店によって異なるので、当日ぎりぎりではなく数日前に買いに行くほうが確実だ。

なぜ旧中川で行われるのか
1945年3月の東京大空襲では、東京全体で約10万人が亡くなったとされる。江戸川区の説明によれば、そのうち小松川平井地区の罹災者は約40,000人、火から逃れようとして旧中川に入り亡くなった人は約3,000人と伝えられている。
つまりこの川そのものが空襲の現場だった。灯籠を流す場所として旧中川が選ばれているのは、景色がいいからではなく、そこで多くの人が亡くなったからだ。行事の名称も「旧中川東京大空襲犠牲者慰霊灯籠流し」で、慰霊が目的であることが正面から掲げられている。
会場のふれあい橋は、旧中川に架かる歩行者と自転車のための橋で、江戸川区平井と江東区亀戸を結んでいる。1994年12月にこの橋が開通したのをきっかけに、両岸の亀戸地区と平井地区の住民が始めた行事だという。橋の上と両岸の護岸から、流れていく灯籠を見送る形になる。近年は例年1,500個ほどの灯籠が流される。ふれあい橋はドラマのロケ地に使われることもある橋で、晴れて風のない日には水面に東京スカイツリーが映り込むと紹介されている。灯籠の光とスカイツリーが同じ水面に並ぶのが、この場所ならではの眺めだ。
灯籠を流せない年もある
この行事は毎年必ず灯籠が流れるわけではない。順延がなく荒天中止という決まりが、実際に働いた年が近年に何度もある。
2020年からはコロナ禍のため、灯籠を流さず慰霊の献花だけを行う年が続いた。さらに2023年は台風の接近による悪天候で、この年も式典と献花だけにとどまり灯籠流しは見送られた。そして2024年、5年ぶりに灯籠を川へ流すことができた——という経緯をたどっている。つまり「毎年見られる灯籠流し」ではなく、天候と状況がそろった年に流せる行事だということだ。
だからこそ、行ける年に足を運ぶ意味がある。逆に、当日が荒天の予報なら献花のみに切り替わる可能性を頭に入れておきたい。過去には式典の前に地元・浅間竪川小学校の金管バンドクラブが演奏を添えた回もあり、式典前後の時間にも見どころがあった。
行く前に知っておきたいこと
まず、これは屋台の並ぶ夏祭りではない。飲食を目当てに行くと当てが外れる。食事は平井駅か亀戸駅の周辺で済ませてから向かうのが無難だ。
次に、荒天の場合は中止で、順延の設定はない。前述のとおり、8月15日が台風や強い雨にあたった年は献花だけになる。当日の天候が怪しいときは、区の小松川事務所か区の公式ページで確認してから出かけたい。
服装は、川沿いの護岸に立つことになるので歩きやすい靴がいい。日が落ちてからの行事とはいえ8月の夜なので、飲み物は持っておきたい。式典中は静かに見守る時間があるため、小さな子ども連れの場合は献灯が始まる午後7時ごろに合わせて行くと過ごし方に無理がない。
当日の時間の使い方
灯籠を自分で流すつもりなら、逆算するとこうなる。数日前までに平井3丁目の協力店でキットを買い、家で文字や絵を入れておく。当日は夕方までに平井駅に着き、駅前で食事を済ませ、18時前後に会場へ向かう。18時30分の式典に立ち会い、19時の献灯で灯籠を流す。所要は2時間ほどを見ておけば足りる。
見学するだけなら、19時前に着けば流れ始めるところから見られる。灯籠は一度に全部流されるわけではなく、次々と水面に置かれていくので、時間が経つほど川面の光が増えていく。日没後の暗さが増すぶん、遅い時間帯のほうが灯籠の色は濃く見える。
会場は川の両岸と橋の上に分かれる。橋の上からは灯籠が流れていく全体の帯を見下ろせるが、水面との距離はある。護岸側に降りると灯籠を間近で見られる代わりに視野は狭くなる。どちらか一方に決めず、式典を岸で見て、献灯が進んだころに橋へ上がる、といった移り方をすると両方の見え方を味わえる。
会場までのアクセス
最寄りはJR総武線の平井駅で、ふれあい橋まで徒歩約12分。灯籠キットの販売店が並ぶ平井3丁目を通っていけるので、事前にキットを買う人はこちらから向かうといい。反対の亀戸側からはJR総武線・東武亀戸線の亀戸駅から徒歩約15分になる。
会場に専用の駐車場はない。川沿いの道は幅が限られるうえ、夜間に人が集まるので、電車で向かうのが前提と考えておきたい。


隅田川とうろう流しとの違い
同じ8月15日には、浅草・墨田側で隅田川とうろう流しも行われる。どちらに行くか迷う人のために違いを挙げておく。
隅田川のほうは規模が大きく、撮影企画が併催されるなど催しとしての要素がある。灯籠の価格帯も1,700円〜2,120円と旧中川より高い。一方の旧中川は、灯籠500円、屋台なし、式典と献灯だけという構成で、慰霊行事としての性格がはっきりしている。人出も比べものにならないほど少ない。
賑やかな夏の夜を過ごしたいなら隅田川、8月15日という日にきちんと手を合わせたいなら旧中川、という選び方になる。旧中川は静かに川面を見ていられる時間が長い。
まとめ
- 2026年8月15日(土)、式典は午後6時30分、献灯は午後7時から。荒天中止で順延なし
- 会場は旧中川のふれあい橋たもと。見学は無料
- 舟灯籠キットは平井3丁目の5店で1艘500円。会場の完成品600円より安く、家で描いてから持ち込める
- 1999年から続く慰霊行事で2026年は28回目。旧中川では東京大空襲で約3,000人が亡くなったと伝えられる
- 順延なし・荒天中止。コロナ禍や2023年の台風では献花のみとなり、灯籠が流れたのは2024年で5年ぶりだった
- 屋台は出ない。食事は平井駅・亀戸駅の周辺で済ませてから向かうといい
- アクセスはJR平井駅から徒歩約12分、亀戸駅から徒歩約15分。駐車場はない
イベント情報
- 開催期間
- 2026/8/15 18:30 - 2026/8/15 21:00
- 開催場所
- 旧中川 ふれあい橋たもと
- 住所
- 東京都江戸川区平井7丁目・江東区亀戸9丁目
- 主催者
- 旧中川灯籠流し実行委員会
- 料金
- 見学無料(舟灯籠キット1艘500円/会場での完成品1艘600円)
- 状態
- 開催予定