【穴澤天神社例大祭2026】8月23日開催の見込み。国指定の里神楽は13時、獅子舞は石段を舞い登る

穴澤天神社の神楽殿。木造の舞台に「神楽殿」の扁額が掲げられ、紙垂の下がった正面が開いている

東京都 8月23日(日)のイベント

稲城市矢野口の穴澤天神社の例大祭。国指定重要無形民俗文化財の江戸の里神楽と市指定の獅子舞が同じ日に奉納される。2026年は8月23日(日)開催の見込み。

  • 2026/8/23 13:00 - 2026/8/23 21:00
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穴澤天神社の神楽殿。木造の舞台に「神楽殿」の扁額が掲げられ、紙垂の下がった正面が開いている
穴澤天神社の神楽殿。ここで江戸の里神楽が舞われる(撮影:珈琲牛乳/CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)

国が指定した重要無形民俗文化財と、市が指定した無形民俗文化財が、同じ日に同じ境内で舞われる。稲城市矢野口の穴澤天神社の例大祭は、そういう日だ。しかも最寄りの京王よみうりランド駅から歩いて5分ほど。多摩丘陵の中腹にある小さな古社で、午後から夜まで神楽と獅子舞と神輿が続く。

2026年の日付は、たぶん8月23日(日)になる。「たぶん」と書いたのには理由があるので、日付の決まり方から先に整理しておく。

目次

2026年は8月23日(日)になる計算

稲城市の公式サイトは、江戸の里神楽の解説ページでこう書いている。「穴澤天神社の例大祭は、8月25日に近い前の日曜日です。江戸の里神楽は午後1時ごろから、穴澤天神社内の神楽殿にて見ることができます」。獅子舞のページのほうは「毎年8月25日の例大祭の日に奉納されます」と書き、東京都神社庁の記録では例祭日が「8月21日〜25日」となっている。

2026年の8月25日は火曜日。その直前の日曜日は8月23日にあたる。過去も2019年が8月25日、2018年が8月19日、2017年が8月20日と、いずれも8月下旬の日曜に開かれてきた。

名称 穴澤天神社 例大祭
日程 2026年8月23日(日)と見込まれる ※「8月25日に近い前の日曜日」という市公式の記載による
会場 穴澤天神社(東京都稲城市矢野口3292)
料金 無料
見どころ 江戸の里神楽(国指定重要無形民俗文化財)/穴澤天神社獅子舞(稲城市指定)/神輿渡御
アクセス 京王相模原線 京王よみうりランド駅から徒歩5分ほど
屋台 夕方から境内に出る(規模は非公表)

ただし、2026年の日付と時間を明記した神社・市の告知は、この記事を書いている時点では見つかっていない。神社の公式Xアカウントは花手水を定期的に投稿していて動いているので、直前の告知が出るとすればそこが早い。出かける前に一度のぞくといい。

午後1時、神楽殿で国指定の里神楽が始まる

江戸の里神楽は1994年に国の重要無形民俗文化財に指定された。指定を受けたのは四つの団体で、台東区の若山社中、品川区の間宮社中、荒川区の松本社中、そして稲城市矢野口の山本社中。穴澤天神社で舞うのは、この四つのうちの山本頼信社中である。

面白いのは、山本家がこの神社の社家、つまり神職の家だという点だ。初代の山本権律師弘信が応安6年(1373年)に創始したと伝わり、現在の家元は十九代目にあたる。流派は武蔵流。都心の社中が各地の神社に呼ばれて出向くのに対し、ここは神楽の家が自分の神社で舞う。

もっとも、江戸の里神楽という名前で世間が思い浮かべるのは、たいてい別の場所だ。この芸能に触れた投稿を探すと、出てくるのはほぼ府中の大國魂神社のすもも祭(7月20日)で、「夜に見た」「演目は大碓勘当だった」といった感想が並ぶ。同じ芸能が8月下旬に稲城の神社で舞われることは、ほとんど話題にならない。神楽殿の前に人だかりができるすもも祭とは、見え方がまるで違う。

演目は古典ものの「天之浮橋」「黄津醜女」「八雲神詠」「天之磐扉」などのほか、近代ものの「紅葉狩」、お伽ものの「稲葉の素兎」がある。明治7年に里神楽の天覧が行われた際、演目の考査によって25座が許可されたという歴史を持つ。当日どの演目が出るかの番組表は公開されていない。何が舞われるかは行ってみないと分からない、という祭りだ。

舞台になる神楽殿は独立した木造の建物で、正面が大きく開き、床は地面から腰の高さほどに上がっている。軒に「神楽殿」の扁額が掛かり、前面には紙垂が並ぶ。観客席はないので、境内の地面に立って見上げる形になる。長丁場なので日傘か帽子があると違う。

夕方の獅子舞は、石段を舞いながら登ってくる

もうひとつの主役が獅子舞のほうだ。昭和58年3月30日に稲城市の指定文化財となり、穴澤天神社獅子舞保存会が受け継いでいる。江戸時代の初期から中期にはすでに始まっていたと考えられ、昭和10年代に一度中断したあと、20年代後半に復活した。

構成は大獅子・求獅子・女獅子の三頭と天狗。関東に広く伝わる三匹獅子舞の形で、囃子方として笛吹き・貝吹き・歌方が付く。都内には休演中のものを含めて84か所に三匹獅子舞が伝わるが、稲城市内で今も続けているのは矢野口のこの神社と、東長沼の青渭神社の二か所だけになった。

見せ場は移動そのものにある。祭礼当日、一行は矢野口自治会館を出発して本殿前の土俵まで行列するのだが、その途中に急な石段がある。市の解説は「特に神社の石段を舞いながら登る姿は勇壮そのもの」と書く。段数は資料によって74段とも78段とも紹介されていて一致しないが、いずれにせよ70段を超える急斜面を、獅子頭を背負ったまま舞いながら上がってくる。実際に見た人の記録では、鳥居をくぐったところで一度中断し、天狗が土俵で一人舞を見せる。舞の周りには自然と人の道ができていったという。

過去の時間割から読む、当日の流れ

2026年の進行は公表されていないが、過去数年の記録が残っているので骨格は見える。年によって出し物が入れ替わるものの、大枠はほぼ同じだ。

時刻 内容
13:00 神輿宮出し/江戸の里神楽(神楽殿)
16:30〜17:00 獅子舞(行列から土俵へ、所要30分ほど)
18:10 祭囃子
18:20 神輿宮入り
19:00以降 和太鼓、舞踊、歌謡、カラオケ大会など

屋台が出るのは夕方から。年によっては阿波踊りの隊列が近くの幼稚園から行列して境内に入ってきたり、紅白の餅まきが入ったりする。神輿は2基。山車や神輿は石段ではなく山道の坂を通るので、石段を登ってくるのは獅子舞だけだ。里神楽を見るなら午後1時、獅子舞なら夕方4時半。両方を押さえるなら午後まるごと空けることになる。

同じ日、同じ駅の反対側でGタウン夏祭り

8月23日には、同じ京王よみうりランド駅圏でもうひとつ大きなイベントが立つ。ジャイアンツタウンスタジアムで開かれるGタウン夏祭り2026だ。稲城市の公式によれば8月22日・23日の14時から20時、入場無料で、盆踊りや縁日、屋台、ウォーターパークが並ぶ。荒天の場合は中止。

時間帯は完全に重なるが、獅子舞が16時半ごろなので順番はつけられる。午後に神社で里神楽を見て、獅子舞まで待ち、それからスタジアムへ移るという回り方になる。逆にすると獅子舞に間に合わない。なお、ジャイアンツタウンのスタジアムは2025年3月に開業済みで、水族館を含むグランドオープンは2027年の予定だ。

境内の湧水は「東京の名湧水57選」に入っている

穴澤天神社の弁天社。斜面の下に小さな屋根付きの社があり、背後に鬱蒼とした木々と石垣が続く
境内から坂を下った先にある弁天社。この一帯に湧水がある(撮影:珈琲牛乳/CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)

祭りとは別に、この神社には夏に効く場所がある。東京都環境局が選んだ「東京の名湧水57選」の48番が、ここの湧水だ。都の説明は「多摩丘陵の中腹に位置する神社で、枯れることのない湧水がある。御神水として親しまれ、水を汲みに多くの人が訪れる」。場所は神社の北側、三沢川沿いの崖面で、境内から弁天坂を下った先にある。

実際、直近の投稿にも「三沢川沿いの木陰の多い『猛暑日用コース』へ 穴澤天神社に立ち寄って冷たい湧き水もいただいた」というものがあった。水汲みに通う人の案内によると1回20リットルまでで、水量は細いので相当な時間がかかる。飲用の可否は都の公式ページに明示がないため、飲むなら煮沸してからにする。

社号の「穴澤」は、この境内の下にある横穴に由来する。神社庁の記録は「境内下に、横穴厳洞があるが、これがすなわち穴澤の起源である」と書く。なお、洞窟めぐりができた「弁天洞窟」は近くの威光寺にあった別の施設で、2014年11月の落盤以降は閉鎖されている。二つは別の場所なので混同しないように。

筆塚も本殿も市の指定文化財

穴澤天神社の参道入口。三沢川に架かる橋の先に鳥居と社殿が見え、右手に案内板が立っている
三沢川に架かる橋を渡って境内へ向かう参道(撮影:珈琲牛乳/CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)

穴澤天神社は延喜式神名帳に載る古社で、多摩八社の一社。主祭神は少彦名命で、元禄7年(1694年)に菅原道真公、大正7年(1918年)に大己貴命が合祀された。

境内には市の指定文化財が複数ある。社務所の近くに立つ筆塚は昭和55年2月22日の指定で、江戸後期の筆学者・原田金陵の功績をたたえて文久3年(1863年)に164名の門弟が建てたもの。本殿そのものも令和元年10月15日に市の指定を受けている。境内は細長く、石段を登った先に神明神社と山王神社の境内社がある。

行き方と、分かっていないこと

京王相模原線の京王よみうりランド駅から徒歩5分。ただし資料によって5分から10分まで幅がある。JR南武線の矢野口駅からだと徒歩20分ほど。神社は丘の中腹にあり、参道は三沢川の畔から急な石段を登る。ベビーカーで登るのは楽ではない。

ふだんは境内に10台ほどの駐車スペースがあるとされるが、例大祭当日に使えるかを書いた情報はどこにもない。当日の交通規制の有無も、雨天のときに中止なのか順延なのかも公表されていない。神輿が氏子地域を巡行し、行列が道を通る祭りなので、車で乗り付けるのは避けたい。

この規模の祭りは、大手の情報サイトが当日の詳細まで載せてくれない。市の文化財ページと神社のXが実質的な情報源になる。逆に言えば、国指定の神楽と市指定の獅子舞が一日で見られて、しかも人がそれほど多くない。

同じ8月23日、多摩の反対側では立川諏訪神社の例大祭で山車の競演がある。日曜の午後をどこで使うか、多摩は選択肢が多い日だ。

イベント情報
開催期間
2026/8/23 13:00 - 2026/8/23 21:00
開催場所
穴澤天神社
住所
東京都稲城市矢野口3292
主催者
穴澤天神社
料金
無料
状態
開催予定
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