【中里の火の花祭2026】9月1日は火曜。大松明に火が入るのは21時前後、灰を持ち帰る袋がいる

燃え上がる麦わらの大松明と富士塚の斜面から見上げる見物客

東京都 9月1日(火)のイベント

清瀬市中里の富士塚で毎年9月1日に行われる中里の火の花祭。2026年は火曜日。18時から21時のうち、ろうそくが灯るのが20時45分頃で大松明に火が入るのは21時前後。灰は持ち帰って火除けにする。駐車場はなく西武バス3系統で向かう。

  • 2026/9/1 18:00 - 2026/9/1 21:00
  • 中里の富士塚(中里富士山)
  • 無料

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清瀬市中里の富士塚で、毎年9月1日の夜に麦わらの大松明が燃える。中里の火の花祭だ。2026年の9月1日は火曜日にあたる。市の案内では午後6時から午後9時までの3時間だが、火が動きだすのは20時45分すぎ。それまでの2時間半、富士塚の上では白装束の講員が「お伝え」を唱えている。

夜の富士塚の麓で円錐形に積まれた麦わらの大松明が高く炎を上げ、斜面に腰かけた見物客が見上げている
燃え上がる大松明と、富士塚の斜面から見守る人たち(出典:清瀬市)
目次

18時から20時45分まで、富士塚の上で何が起きているか

清瀬市の市史編さん草子「市史で候」が、当日の流れを時刻つきで書いている。

夕方6時頃、講員が「お伝え」と祝詞を奏上する。お伝えは経本に記された富士講独特の言葉だ。そして午後8時45分頃、ろうそくに火が灯り、講員が「南無浅間大菩薩」と念仏を唱えながら下山する。その後で、麓に積み上げられた麦わらの大松明に点火される。

クライマックスの「お焚き上げ」については、午後9時頃から始まるとする説明もある。20時45分のろうそくは合図で、大松明そのものに火が入るのはそのすぐ後、21時前後と見ておくのが実際に近い。市の案内が「21時まで」で終わっているのは、火が上がってからの時間が短いからではなく、そこが終わりの目安だからだ。

つまり18時に着いても、火は3時間近く見られない。市の文化財ページはこの構成を「富士塚頂上での拝礼、麓の大松明への点火、お祓い実施後に再び山頂へ登り終了」とまとめている。点火して終わりではなく、火が下火になってからもう一度山頂へ登って締める二段構えだ

火だけを目当てにするなら20時台の到着でも間に合う。ただ、暗くなった富士塚の九十九折りの道に明かりが点り、上から念仏が降りてくる時間帯こそがこの祭りの本体でもある。どちらを取るかで着く時刻が変わる。

開催概要

項目 内容
日程 2026年9月1日(火) ※毎年9月1日で固定
時間 18時00分〜21時00分(ろうそく20時45分頃、大松明への点火は21時前後)
会場 中里の富士塚(中里富士山)/清瀬市中里3-991
執行 丸嘉講武州田無組中里講社
料金 無料
指定 東京都指定無形民俗文化財(昭和60年3月指定)
同時開催 近くの広場で盆踊り・夜店の出店
駐車場 なし(市が車での来場を控えるよう案内)
問い合わせ 清瀬市郷土博物館 042-493-8585

日程について一点だけ補足がある。市の文化財ページは2025年12月8日の更新で「毎年9月1日に…行われます」と日付固定を明記しているが、歳時記ページのイベント日付欄は2023年9月1日のまま更新されていない。2026年分の当年告知そのものはまだ出ていないので、直前にもう一度市の案内を見ておきたい。

灰を持ち帰る。袋を持っていく

この祭りには、見物客のほうにも役割がある。大松明の灰を持ち帰ることだ。

市はこう説明している。「大松明の灰は火除けの御利益や作物の魔除けになると言われます。そのため、観客は持ち帰り、家の周囲や畑に撒くなどします」。市史のほうはもう少し具体的で、家の入口に置けば火災除けや魔除けに、畑にまけば豊作になるとされる、と書いている。

火伏せと無病息災を祈る祭りなので、灰そのものが持ち帰る対象になる。手ぶらで行くと入れ物に困るので、ビニール袋か新聞紙を1枚用意していきたい。燃えた直後の灰は熱を持っている点にも気をつけたい。

円錐形に積まれた麦わらが激しく炎を上げ、白装束の講員が紙垂を付けた長い御幣を掲げている。奥に消防団員が待機している
点火後の大松明。白装束の講員が御幣を掲げる。右奥には消防団が控えている(出典:清瀬市)

舞台は文政8年築造、高さ約9メートルの富士塚

会場の中里の富士塚は、文政8年(1825年)に丸嘉講武州田無組中里講社の講徒が、柳瀬川右岸の段丘の縁に築いたものだ。周囲より約9メートルの高さがあり、都内でも最大級とされる。

登山道は九十九折りで、一合目から九合目までの小さな石柱が立つ。山頂には石製の小祠と、大日如来を刻んだ石碑がある。富士塚そのものが東京都指定有形民俗文化財で、その上で行われる火の花祭が東京都指定無形民俗文化財。塚と祭りの両方が1985年(昭和60年)に都の文化財になっている。

祭りの由来は、山梨県富士吉田の北口本宮冨士浅間神社で行われる「吉田の火祭」にならって始まったと伝えられている。富士講という江戸時代の信仰の形が、講社という単位で今も残り、年に一度この夜に動く。清瀬市内には中里と竹丘の二か所に富士塚がある。

見物する場所も、この地形で決まる。市が公開している写真では、燃える大松明を囲むように、見物客が塚の斜面に腰を下ろして見上げている。階段状の観覧席があるわけではなく、土の斜面がそのまま客席になる。足元は暗く、火の粉と灰も舞う。サンダルより歩ける靴、白っぽい服より汚れてもいい服のほうが落ち着いて見ていられる。写真には消防団が控えている姿も写っていて、火のすぐそばまでは近づけない前提で場所を決めることになる。

8月30日に予習の講座がある

清瀬市郷土博物館が、祭りの2日前に講座を開いている。「清瀬を学ぶ90分 第5回『火の花祭の見方、楽しみ方』」だ。

2026年は8月30日(日)の午前10時30分から正午まで、郷土博物館の映像展示室で行われる。講師は同館学芸員の中野光将さん。博物館は「毎年9月1日に中里の富士塚でおこなわれる火の花祭の概要を紹介する毎年恒例の講座」と説明していて、申し込みは2026年8月1日の午前9時から、電話(042-493-8585)または申し込みフォームで受け付けている。

祭り当日は暗く、進行の説明が現地であるわけでもない。何が起きているのか分からないまま3時間立っていることになりがちなので、日曜の午前に90分だけ先に聞いておくと、当日の見え方がまるで変わる。

同じ夜に盆踊りと夜店がある

市の案内には、当夜すぐ近くの広場で盆踊りと夜店があると書かれている。市が公開している写真にも、「火の花祭り」と染め抜かれた提灯を下げた櫓が写っている。色とりどりの提灯が張り渡され、太鼓が据えられた、普通の盆踊りの櫓だ。

「火の花祭り」と書かれた提灯を下げた紅白幕の櫓と、夜空に張り渡された色とりどりの提灯、櫓の上の太鼓
同じ夜に立つ盆踊りの櫓。提灯には「火の花祭り」と入る(出典:清瀬市)

都の無形民俗文化財である火の神事と、地域の盆踊りと、夜店。この3つが同じ夜の同じ場所に並んでいる。火が入るのは21時前後なので、それまでの時間は盆踊りのほうで過ごせるという組み立てもできる。子ども連れで3時間を持たせるなら、この順番で考えるのが無理がない。

駐車場はない。バスは3系統から選ぶ

清瀬市は「駐車場はございませんので、車での来場はご遠慮ください」と明記している。ここは守りたい。

西武池袋線の清瀬駅北口が起点になる。徒歩だと約30分かかるので、バスを使うのが素直だ。西武バスで3通りある。

  • 1番・2番のりば「志木駅南口行き(市役所・旭ヶ丘経由)」または「旭が丘団地行き(けやき通り経由)」→「けやき通り」下車、徒歩約10分
  • 3番のりば「台田団地行き(中里経由)」→「中里四丁目」下車、徒歩約5分

降りてからの距離が短いのは3番のりばの「中里四丁目」だ。ただし帰りは21時前後になる。夜のバスの本数は昼と同じではないので、行きのうちに時刻を控えておきたい。

9月1日は防災の日でもある。火伏せを祈って麦わらを焚く江戸期からの神事と、関東大震災に由来する防災の日が、同じ日付の上に重なっている。文政8年に塚を築いた講員たちが後者を知るはずもないが、火除けを願う夜が9月1日に置かれているという事実だけは残る。

清瀬は西武池袋線で池袋から30分ほどの距離にある。小平グリーンロード灯りまつり のような多摩の灯りの行事と同じ圏内にありながら、火の花祭は大手のイベント情報にほとんど出てこない。日付が動かない行事なので、毎年やることは「今年は何曜日か」を見るだけで済む。2026年は火曜日の夜だ。

ほかに9月の東京で火や神輿が夜に動くものを挙げるなら、昭島市の 拝島日吉神社 榊祭 が13日の0時10分に榊の大木を担ぎ出し、葛飾区の 葛西神社例大祭 が20日に三年に一度の宮神輿を出す。火の花祭が終わってから、まだ二度ある。

イベント情報
開催期間
2026/9/1 18:00 - 2026/9/1 21:00
開催場所
中里の富士塚(中里富士山)
住所
東京都清瀬市中里3-991
主催者
丸嘉講武州田無組中里講社
料金
無料
状態
開催予定
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